犬の症例犬の診療院長のつぶやき
再生医療科2 PRP療法
こんにちは、岡村です
PRP(自己多血小板血漿)療法は、人の美容外科や整形外科などでも用いられている再生医療のひとつです。
シワとりや、昨年にはヤンキースの田中まーくん選手が肘の靭帯の治療に利用しています
外に行く猫ちゃんで、事故やケンカなどによる皮膚裂傷の際の皮膚再建や、
難治性再発性骨折、治療までに時間を要した骨折には海綿骨移植と同じく応用されています。
生体には治ろうとする力が自然に備わっています
原理は多種多様な生理活性物質(サイトカイン)が局所に濃度勾配をつくり、シグナルを組織が受け取ることで、組織の再生がおこります。
PRP療法は、この治ろうとする力を手助けする治療方法で、
たくさんの血小板からの豊富なサイトカインを利用し高濃度勾配を作り、再生をさらに促進させることが可能です
今後は動物でも外科分野の補助的療法として活躍する治療法かもしれません!?
作成までには無菌的な操作が必要となるためにクリーンベンチが活躍します。
治療の際には本人から血液を採取し、血小板を分離し、ゲル状にしたものを用います。
薬を大量多種に使うわけではなく、あくまで自身の血液から得られたものを利用しますので、
副作用の心配もほどんどなく、安全に行える治療法です
さらに、一定量の採血ができるという条件のもと、
動物種を選ばないことも魅力的で小動物にも適用を広げられそうです
今回、ウサギさんの治療にPRP療法を利用しました。
ウサギさんの患者様を当院にご紹介いただいた、さとう動物病院(http://www.satou-ah.com)の佐藤先生は
岸和田の土生で開業されている獣医師会支部の先輩で、とても熱い先生でお世話になっています。
獣医師会のつながりのもと、地域の動物たちの幸せな生活を守れますよう励んでいきたいと思います。