犬の症例犬の診療痒がる、毛が抜ける
皮膚科1 犬のマラセチア性皮膚炎
こんにちは、岡村です。
皮膚に炎症を起こした結果、
痒みを伴い、被毛を脱毛させることで、わんちゃんを苦しめる皮膚炎
痒みは一連の生体反応の流れで引き起こされます。
皮膚炎を患う動物では、「かきむしる」行為を防ぐ事が大切です
自分自身も幼少期にはアトピーがあり、掻きむしっていたのでよくわかります。
今回のテーマとなるマラセチア性皮膚炎とは、
マラセチアという表皮に常在する酵母様真菌による皮膚炎です。
この微生物は湿気と脂を好み、皮膚環境の変化や免疫機能の変化により増殖し、
病原性を有してしまいます
耳にもいますので、外耳炎の理由としてもよく目にします。
顕微鏡でみるとこんなふうにみえます。
症状は脱毛、皮膚の炎症、肥厚、かきむしる、臭うなどで、
かわいそうな様相を呈してしまいます
内服やシャンプーなどで病原体を抑え、
炎症を鎮め、かきむしる事をやめさせるなど、
上手に管理することで、改善がみられますが、
飼い主さんの努力がとても必要です
同じわんちゃんとは思いにくいですね
良い皮膚のコンディションを維持するためには、
継続してシャンプー療法を行うなどが必要なこともありますが、
痒みもひき、気持ち良さそうに眠るわんちゃんをみていると、
なんだが頑張れちゃうという声をよく伺います
皮膚の痒みは、掻きむしって悪循環になってしまうので、
早めに病院と相談して対応してあげてくださいね