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    ウサギ専門診療科66 二葉の肝葉捻転のウサギの治療

    こんにちは、岡村です
    ウサギの肝疾患は、稀とは言わない程度に発生します。
    中でも、肝葉捻転は、ここ数年で診断されるようになり、
    当院でも2013年に症例報告として、学会で報告しました
    肝臓は一塊の臓器ではなく、「葉」と呼ばれる単位で複数に分節されていて、
    それぞれの葉には血管が出入りしています。
    葉が捻転すればこの血管がよじれて虚血・うっ血状態、様々な程度の痛みを生じます
    葉全体の肝細胞の広範囲な壊死を伴う重篤で致死的疾患であるこの病態は、
    かっては診断・治療の難しい疾患であり、
    実際に助けられなかったウサギさんもいて、悔しい思いを噛み締めてやってきました。
    今では診断・治療に関わるウサギ獣医学の日々の進歩によって、
    学会での報告をみても診断件数・治療成功件数が上昇してきました

    肝葉が捻転したウサギは、
    胃腸運動が低下から停止することが多く、食欲・排便は低下から廃絶に至ります。
    一見、肝障害を併発した中等度の胃拡張を伴う胃腸運動鬱滞と
    診断されがちな点に注意が必要です。
    診断には、画像診断と血液検査の併用が必要です。
    ダイレクトに確定診断することはまだ困難であり、他の病態の除外診断が必要です。
    CT検査が有用とした報告もありますが、CTを設備していない施設も多く、
    個人的には、エコー検査が大変有用で必須な検査である印象があります。
    肝葉捻転が診断リストに強力に残れば、
    勇気を持って早期の開腹による外科治療が救命への道です

    食欲がないとのことで来院したルーちゃん
    なんと二つの肝葉が同時に捻転していました
    外科治療の2週間後にはすっかり元気になりました

    肝葉捻転による肝細胞壊死や疼痛は、
    ウサギの生活の質を致死的に大きくおとしめてしまいます。
    ウサギの肝疾患を診断する際には、捻転を頭に入れ続けておくこと、この疾患を広く獣医師に知ってもらうことが、
    助けられなかった子たちへのせめてもの報いかとそういう想いでいます。
    命に関わるような助けられないとされてきた疾患、原因不明の死とされてきた疾患を一つでも助けられるようにし、
    かわいいウサギが病による苦痛から早く快方させられるよう、当院は頑張ってまいります

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