エキゾチックアニマルの症例エキゾチックアニマルの診療その他
エキゾチック診療科9 ウーパールーパー
こんにちは、岡村です。
当院ではエキゾチックアニマルも多く来院されます。
エキゾチックアニマルと一言で言っても、
とても種類は豊富で、診療対象動物は多岐にわたります
しかし、両生類が病院にくることはあまりありません。
当院の診療対象動物に掲げてはいませんし、
私自身、両生類の診療経験が豊富で、知識も十分にあるわけではないことを
まず最初にお断りしておきます
もちろん、診療経験が豊富なプロが診るべきだと考えています。
今回の飼い主さんからは、それでもということでご理解いただいて、診療させていただいています。
分厚い文献を紐解いて、必死で勉強をしているところです
さて、ウーパールーパーさんは、
とても愛らしい表情で、一世を風靡した動物です
特徴は、変態しないまま大人になる両生類で、
再生能力があり、この分野での研究が行われています。
いろんな体色があることもあまり知られていませんよね。
飼育する上で、水質・水温の管理がとても難しいと個人的には思っています
汚れてくると、皮膚病を発症させたりします。
また、食事などの栄養学はあまり発展していないと感じます。
経験的に2-3日に1回、頭の大きさ分だけ与えるなどと言われています。
飼育が難しいですが、餌をほしがったりする仕草もみられたり、かわいい所があります
頭の横には外鰓と呼ばれる特徴的な器官があり、
この外鰓には血管が走行しています。
この血管が大きく張り出してループ上になってくることがどういうわけかあり、
ひっかかってしまって、大出血して命に関わることがあります。
飛び出している血管を事前にどうこうすることは出血させるリスクもあり難しく、
止血するなどの事後対応になります。
また、変態しない動物とお伝えしましたが、水位やヨウ素量など、
条件が重なれば変態することもあります。
まったく見た目はウーパールーパーではなくなってしまい、主に陸に上がって生活します。
なかなか珍しいです。
こうなると、短命と言われていますが、この子はずいぶん長く元気に生きています。
血管の張り出しや、変態に関係する要因には
栄養が関係している可能性があると考えています
いろいろと、両生類のプロからみたら、稚拙なお話で、お叱りをうけるかもしれません。
学術的に、生態自体がよくわかっていない動物ですが、
投薬量などは信頼できる文献もあるので、それらが頼りです。
両生類アマチュアな自分をご信頼いただき、
可能な範囲で真摯に診て行きたいと思っています
特殊な診療という形でご紹介させていただきました。