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    ねこちゃんと楽しく暮らす14 〜トイレのこと〜

    こんにちは、看護師の赤堀です。猫ちゃんと楽しく暮らすシリーズ、久々の更新です!

    ねこちゃんの健康管理において、おトイレ事情はとっても重要なことです🚻
    腎臓病、糖尿病、結石…など病気の診断に尿検査が重要なだけでなく、『排尿行動』も病気の発見に重要なポイントです。

    膀胱炎や尿道結石といった『下部尿路疾患』では、
    ・頻繁にトイレに行く
    ・何度も排尿姿勢をとるが、出ていない
    ・トイレ以外でおしっこをしてしまう
    ・大きな声で鳴く(痛みのため)
    といった行動が見られることがあります。

    下部尿路疾患についてはこちらもご覧ください
    ねこちゃんと楽しく暮らす12〜下部尿路疾患①〜
    ねこちゃんと楽しく暮らす12〜下部尿路疾患②〜

    猫の下部尿路疾患というと、緊急的なものとして、結石が尿道に詰まってしまう『尿道閉塞』が挙げられます。おしっこが出ていなくて、食欲不振や嘔吐があるときにはすぐ受診する必要があります❗️
    尿石の予防には食事管理と飲水量の確保が大切です。

    さて、実際のところ、猫の下部尿路疾患でいちばん多いのは『特発性膀胱炎』だと言われています。「特発性」という日本語はなんだか曖昧ですが、「原因不明の」ということ。犬では細菌性の膀胱炎が多いのに対し、猫ではこの特発性膀胱炎が多く発生します。

    原因不明…とはいうものの、その病理発生については様々な説が報告されています
    ・尿量、排尿回数の減少→濃い尿が膀胱粘膜の細胞を刺激
    ・痛みに対して過敏な体質や脳が受けたストレス→神経末端での炎症
    ・副腎のコルチゾール分泌(ストレスホルモン)と膀胱粘膜の透過性の関連
    ・交感神経系伝達の増加(興奮)→膀胱の炎症反応が増加

    などなど、難しくなってしまいましたが、ざっくり言えば、おしっこのしづらい環境(排尿回数の減少)、そして様々なストレスによる神経伝達やホルモン分泌の影響が、膀胱の炎症を引き起こしているのではないか、ということでしょうか😕

    では、猫にとってストレスとはどんなことでしょう❓
    ・環境の変化(旅行やペットホテル、新しい家族など)
    ・他の動物や人間の声、騒音
    ・水、食事、トイレ、場所など生活環境の競合(多頭飼育)
    ・汚いトイレ
    ・ひま(最近の研究では、退屈がストレス、という報告もあるそうです)

    ストレスを和らげる成分配合のサプリやフードもあります🍙が、まずはストレス要因をできるだけ少なくしてあげることが大切です😊環境エンリッチメントですね❗️

    特に重要なトイレのことについて、ここから本題です!(前置き長かった〜)

    私たち人間だって、お祭りやイベント会場でトイレに行きたくなった時、不特定多数の人が使ってる簡易設置型の狭い公衆トイレに行くより、ちょっと我慢してうちに帰るか、綺麗なホテルのトイレに行こうって思いますよね。仕方なく公衆トイレに行ったとしても、つま先立ちでなるべく壁も触らないように、ささっと済ませて長居はしたくないです💦
    ねこちゃんも、汚いトイレには行きたくないし、居心地のいいトイレの方が落ち着いて排泄できます。
    排泄後に砂をかけない、トイレから上半身が出ている(トイレのへりに足をかけて排泄)、トイレ以外のところでする、…という行動はトイレが気に入っていないサインかもしれません🐱

    では、どんなトイレがいいのでしょうか❓
    ①トイレの数は頭数+1
    うんちやおしっこが残っているトイレは使いたくないです。多頭飼育の場合は特に、他の子が使った後のトイレを使えず、不適切な場所での排泄や、排尿回数減少といった問題に。飼育頭数+1個のトイレを置くことが理想です。それも並べて置くのではなく、できたらそれぞれ違う部屋に。

    ②トイレ砂はたっぷり
    しっかり砂をかいて排泄物を隠せる量が必要です。砂を掘ったらすぐ底が見えるような量だと不十分です。
    紙や木など砂の種類は個々に好みが違うので、トイレバイキング(色々なトイレを並べて好きなものを選んでもらう)をしてお気に入りの砂を見つけてあげるのも楽しいかも。

    ③十分なサイズ、屋根なしがおすすめ
    体が入りきらないサイズのトイレは居心地が悪く、砂をかくことも難しいです。体格の大きい子は市販のトイレでは狭いこともあるので、衣装ケースなどを使うのも一つです。体調の1.5倍サイズが理想的とも言われています。お部屋の臭い対策で蓋付きトイレを使用している場合もあるかと思いますが、臭いのこもった狭い空間はねこちゃんにとっては不快かもしれません。

    ④片付けはこまめに
    排泄物が残っているトイレではしたくない、というのは前述の通りですが、猫はトイレに残った排泄物の臭いよりも、モノ自体が残ってるかどうかの見た目を気にする、という研究報告もあるそうです。感染症対策としても、おしっこやうんちは放置せず、早めに処分してください。また、汚れた部分だけ取り替えていると、底に古いおしっこが残っている場合もあるので、砂は定期的に全替しましょう。

    ⑤トイレの置き場所に注意
    洗濯機やテレビの横は、大きな音や振動が急にして、恐怖体験となって近寄り難くなってしまうこともあります。また、夜目が効く猫とはいえ、微かな光もない押し入れや洗面所など、夜中真っ暗になる場所は、朝までトイレを我慢してしまうこともあるかもしれません。

    家の広さや間取り、ねこちゃんそれぞれの好みなど、一概にはいえないこともありますが、できることからちょっとずつ、そしてちょっとでも快適に、そしてちょっとした行動の変化に気付いてあげることで、病気の予防、早期発見につながります😊

    トイレ以外の環境エンリッチメントやストレス対策についてはまた次の機会に書きたいと思います🙂

    動物看護師 赤堀

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