ときわの広場

うさぎさんの食餌管理

うさぎの基礎知識うさぎ専門診療科動物看護師のつぶやき

こんにちは。看護師の赤堀です。ウサギ専門診療科の以前のブログでも食餌管理についてのお話がありましたが、今回はさらに詳しくお伝えしようと思います 🙂

★牧草★

主食は牧草です。ウサギは大きな盲腸で繊維質を発酵し必要な栄養を作る完全草食動物です。また、牧草の繊維質は胃腸の動きを良くします。さらに、牧草を食べるという行為も重要です。牧草を前歯(切歯)で噛み切り、奥歯(臼歯)で咀嚼することで歯が適切な長さに保たれます。牧草を食べない子は歯が伸び過ぎて口の中を傷つけてしまうこともあります。このように牧草はウサギの健康維持にとても重要な食べ物です。

牧草は常に食べられるようにたっぷり置いてあげてください。

また、マメ科(アルファルファなど)の牧草はタンパク質やカルシウムの割合が高いので、成長期や授乳期には適していますが、維持期にはイネ科(チモシー、オーツヘイ、イタリアンライグラスなど)の牧草をメインにしましょう。高タンパク食は肥満の原因や、腸内細菌叢の乱れにつながります。カルシウムも身体に必要不可欠な栄養素ですが、過剰摂取は尿石の一因になります。

イネ科牧草の中でも、一番刈り、二番刈りなど収穫時期による違いや、生牧草、乾燥牧草など種類や値段も様々ですが、好みの草でOK!よく食べてくれるもの、安定して手に入りやすいものがいいと思います。古いものや湿気たものは、香りが落ちていたりカビが生えたりする可能性もありますので、気をつけてくださいね。

★ペレット★

栄養素をバランス良く配合されたペレットは、牧草の補助食として与えます。

一日にあげる量は体重の1.5〜2%が目安です。例えば、体重1.5kgのうさちゃんなら1日2回15gずつ。文献によっては3〜5%と言ってるものもありますし、個体差があるので、定期的に体重測定や体調チェックをしながらその子に合った量を見つけていくことが大切です。

ペレットでお腹いっぱいになって牧草を食べない、ということがないように量を調整することも必要です。

病気で食べない時には、流動状にしたペレットを給餌してエネルギーを補給してあげることが必要な場合もあります。(←こういう場合はきちんと診察を受けてくださいね!胃腸が動いていない時に無理な給餌は禁物です!)

★野菜、果物、おやつ★

季節の野菜や果物は美味しいし、喜んでむさぼり食いつくうさちゃんの姿は微笑ましいですよね。コミュニケーションや投薬時のツールとして、適度にあげましょう。糖分(炭水化物)が多い果物や根菜はカロリー過多だけでなく、発酵異常で腸内のガスが溜まる原因になりますので、少量に。グラノーラやクッキー、パンなどもデンプン質(炭水化物)を多く含むので同様です。

レタスやきゅうりなど水分の多いものをあげすぎると、一時的に盲腸便がやわらかくなったり、牧草を食べる量が減って軟便が出たります。何事もやり過ぎは良くないですね。

また、角切りのニンジンや、キューブ状のドライフルーツなどはそのまま飲み込んで腸閉塞を起こすこともあります。薄くスライスしてあげると良いでしょう。

★体重管理★

肥満にも要注意です。ふわふわもこもこしたうさちゃんは可愛らしいのですが、飼い主さんも「え、この子って太ってるの?」と気づいていないこともよくあります。太ったうさちゃんはお尻に口が届かないので盲腸便が食べられなくなったり、毛づくろいが上手にできなくなったりして、お尻周りが汚れていることが多いです。また、体重過多は足の裏に負担がかかって、足底潰瘍の一因にもなります。ペレットやおやつは量を決めて、家族内で情報共有することも大事です。お母さんが食餌管理をしていても、お父さんやおばあちゃんがいっぱいおやつをあげてた…!というエピソードはあるあるです

★食べてはいけないもの★

タンポポやクローバーの葉っぱなどは食べてもOKなので、安全なお庭で自由に草を食べられる環境はあればとてもいいと思います。でも、花壇や家庭菜園、お家の中の観葉植物には要注意です。園芸植物のアヤメやクレマチスなどは毒性があります。また、ジャガイモやトマトの茎や葉に含まれるアルカロイドも中毒を起こす可能性があります。ちなみに、アルカロイドはナス科の植物に多く含まれています。医薬品として使われている「アトロピン」もアルカロイドの一種で、自然界ではベラドンナという植物に含まれていますが、多くのウサギはアトロピン分解酵素を持つためアトロピンが効かない、という話は獣医療ではよく聞く話です。しかし、逆に言えば、抵抗性をもたない個体も一定数いるということ。よくわからない植物は食べさせないようにしましょう。

★食べることと、楽しむこと★

毎日朝晩きちんと計量したフードがお皿に乗って目の前に出てきて、健康を考えたサプリメントが添えられ、食欲がない?と思ったらすぐ心配して給餌してくれる…、とても熱心で愛情深い飼い主さんだと思います。でも動物は本来、自分で食べ物を探し、見つけて、食べたり蓄えたりして生きていきます。

獲物を狩る肉食動物だけでなく、草食動物にとっても、草や実などの食べ物を探して見つけ出すことは本能的な行動で、それが仕事とも言えます。庭で自由に野草を食べたり、穴を掘ったりできる環境があればいいのですが、家の中で飼われているウサギにはなかなかそうもいきません。なので、おやつや牧草をお部屋の色んな場所に置いて探させてみたり、知育玩具(フードを隠して見つけるおもちゃ)を使ってみたりして、食べ物を探す仕事(=楽しみ)を与えてあげるのもいいかもしれません。環境エンリッチメントです。

 

長々となりましたが、人でも動物でも、食事管理や栄養学は健康維持にとても大切です 😀

犬と猫でも食性は異なります。それぞれの動物の身体の特性や生活環境を理解して、適切な食事をあげることが、長く健康に、ペット楽しく一緒に暮らしていくことにつながると思います 🙂

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