感染症1 フィラリア症(フィラリア吊り出し術)
犬
こんにちは、岡村です。
世の中は共同社会でなりたち、
持ちつ持たれつの共生関係で成り立っていますよね
でも、微生物というものは時に
一方通行の片利共生関係になってしまいます
ウイルスや細菌、寄生虫の中にはそういったやつらがいてます
今回ご紹介しますのは、有名なフィラリアという寄生虫についてです。
フィラリアは特殊な生活環を営み、
動物の体内に既にいる親虫からうまれた仔虫は、吸血とともに一旦蚊の体内に入ります
その蚊の中で一段階成長してから、再び吸血とともに動物の体内に入ります。
吸血された個所で数週間すごしたのち、体内を巡りながら、
最終寄生先の心臓へと到達します。この間実に半年を要します
寄生数が増えれば、心不全や腹水貯留、肺高血圧症、血尿といった症状を発症させます。
感染犬でも発症していなければ、まだ猶予がありますが、
大静脈症候群を発症してしまうと、命の危険信号が灯ってしまいます
この場合、心臓にいるフィラリア親虫をなんとかしなければいけません。
うっ血で怒張した頚静脈を露出させ、
そこから、カテーテルを心臓までいれて、親虫をつかんで吊り出します
写真の白い素麺みたいなものがフィラリアです。
腹水貯留や貧血などを伴う、心不全のある動物に麻酔をかけるため
リスクの高い手術です
また、手術が成功しても、
フィラリア症によって臓器に一度おこった変性が後遺症として残ることも多くあります。
発症してからあせるよりも、日頃の予防がやっぱり大切です
フィラリアの生活環から、
自分の子が感染した状態は、
地域の別の子に感染させてしまう感染源となってしまっているということです。
予防必須な感染症ですね
ターボくんよくがんばりました
後は管理をしっかりしていこうね