症例紹介

ウサギ専門診療科3 消化管内異物

うさぎ

こんにちは、岡村です。

ウサギさんは、消化器系疾患の罹患率が比較的高い動物だと思います。
歯牙疾患については、以前にこのブログで紹介しました。

胃腸が運動鬱滞をしている場合には、いくつか考えなくてはいけません。
その中で、
物理的に運動が鬱滞する場合、胃内毛球症と消化管内異物、消化管腫瘍などによります。
毛球症という疾患が有名な一方、
消化管内異物という疾患は、あまり注目されていません。

今回は消化管内毛球症とでもいうべき、糞様の大きな塊によって元気を失ってしまった
ウサギさんの紹介です。
軽度の鬱滞ならば、内科管理によって、鬱滞が解消されることもありますが、
これが無理な場合もあります。
写真のような大きな塊が腸管にあれば、致命傷になりかねない閉塞をおこしてしまいます。
この塊を割ると、少量の毛が混じっているのみで、異物はありませんでした。

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もちろん、こんな場合はウサギさんは何をやっても食べないので、
内科管理で経過をみていくうちに、脱水したり肝リピドーシスになるなどで弱ってしまいます。
そこで、外科治療にいつふみきるかが、大切になります。
麻酔のリスクや、麻酔薬の消化管運動への影響、
さらにウサギさんの腸を傷つける事がその後の運動にどう影響するかを考えてしまうことなどが判断を鈍らせますが、
正しい判断をして助けていかねばなりません

異物を取り出して、元気になったポムさん。
今はとても快調なようです

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さて、今回のケースから、考えるべきことは、
詰まっていたのは、他ならぬ毛まじりの食塊であったこと。
食べ物が腸を通過するのはいたって普通のことですよね
いつも通り食べていただけなのに、ある日突然、食べなくなった。
原因は食塊が腸につまったから。
なんていうとても奇妙な病態なのです

毛球症という言葉が一人歩きして、実際はどんなものが詰まっているのかをみたこと
がない方もたくさんおられると思います。
毛が混じる事が、全ての悪ではなく、
消化管の消化機能や運動機能が停滞することが
いわゆる毛球症なんだと考えていただいてもよいかと個人的に思っています
この機能と運動を正常に保ち続けるには、
良質の十分な繊維の給餌や、胃のpHや腸内細菌叢が正常であることなどは最低限大切だと考えています。

具体的な予防方法が解明されていないこの疾患。
お腹の健康を守る意識で、
室温やストレスの有無、食生活をみつめて
愛ウサギさんと接してあげることが、予防のためのとりあえずの第1歩かな
ちょっと難しい話でしたね。すいません。

ときわ動物病院
ウサギ専門診療科
〒596-0823
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